40才からの転職宣言
40歳転職宣言

今回お話をうかがう森本節子さん(仮名)(47歳)は、某県立病院ひとすじで25年のキャリアをつんだ、ベテラン看護師。 第二の人生をつかむため、森本さんは他院への転職を考えた。経験は誰にも負けない。しかし自分の年齢に自信が持てなかった。 「自分のようなオバちゃんは、どこも雇ってくれない―――そんな先入観がありました。でも決してそんなことはないんですね」 再スタートを切った大ベテランに、転職までの歩みを聞いた。
ゼロからの再スタートを
―某県立病院で25年もキャリアをつみながら、今回転職を決意なさったのはなぜでしょう?
まずは長男が独立し、次男も専門学校に入って、あるていど子供が手を離れた事があります。もう一つは夫との離婚です。
―なるほど……。
今はやりの熟年離婚ですね(笑)。
そうしたことがあって、離婚と子供の巣立ちを期に、すべてを変えたいと思った。
ぜんぶリセットして、ゼロから再スタートをきりたかったんです。
前の病院の退職金でマンションを購入したものの、遊んでいては生活できません。
仕事となると、やはりナース以外に考えられませんでした。
―そこで、転職先紹介会社に相談なさったのですね。
はい。いちおう、そういうものがあるというのは知っていましたので。
とはいえ、私の歳で大丈夫な求人はないだろうと思いました。
だから、本当に話を聞いてもらうだけのつもりで行ったんですね。
―ご自分で就職活動をなさったわけですね。
探しては見たものの、どの求人も年齢制限に引っかかりました。
ちょっといい病院があったかと思えば、どれも「40歳未満」とかって但し書きがついてます。
「この歳じゃあムリなのか」と途方にくれましたね。
「そのキャリアなら、きっと評価される!」
―実際に担当者と話してみて、いかがでしたか?
「この歳では求人もないとは思いますが……」って言うと、私の担当さんは
「そんな事はありません」といって、これまでの色んなケースを説明してくれました。
私が思う以上に、高齢のナースで転職を決めた人は多いみたいなんです。
―年齢が大丈夫でも、問題は給与面ですね。
いえ、この歳での転職ですから、そうゼイタクは言いません。
前の職場の条件より大幅にダウンしてもしかたないと覚悟していました。
とりあえず、月収で25万円いただければとお願いしました。
すると担当さんは言ったんです。「そのキャリアなら、もっともらえますよ」って。
―そうして病院をピックアップされたわけですが、面接はいかがでしたか?
不安でいっぱいでしたが、病院側からは「ベテランのナースが欲しい!」という熱意をひしひしと感じました。
思ってもみない彼らの情熱に、圧倒されてしまいましたね。
また私にとって、面接は看護学校の最終年以来、二十数年ぶりでした(笑)。
それだけに何をどう話せばいいか分からなかったのですが、担当さんが一緒に面接に来てくれて全部交渉してくれました。
口下手でも上手くいく面接も、世の中にはあるんですね(笑)。
―いえいえ、それは森本さんの経験が、病院に評価されたということでしょう。
今回、転職先紹介会社に頼んで驚いたのは、条件に合う求人をたくさん持ってきてもらえたことです。私としては、「どこか一つでも同情してくれる病院があれば、選んでもらえるかな?」という気持ちでした。ところが私の側が複数の病院をふるいにかけて、最善の所を選ぶことができたんです。自分一人で就職活動を続けて、無理な転職をしていたらと思うと、ぞっとしますね。
必要とされる うれしさ
―そして選んだ新天地、いかがですか?
さすがに前の職場よりは収入は下がりましたが、当初予想していたよりははるかに多くいただけて、満足しています。
職場でも年寄り扱いされることなく(笑)、経験やスキルに期待してもらっているのがとても嬉しいですね。若くてかわいらしいナースが私についてくれて、病院のシステムに関してはしっかり教えてくれました。私の側からも、若い人に色んな事を伝えていけたらと思っています。
―森本さんの働きはもちろん、若いナースへのプラス効果も期待されているんですね。
こんなオバちゃんでも必要としてくれるところがあり、気持ちよく再スタートを切らせていただきました。私の経験で役だてていただけるなら、喜んで、という気持ちです。 もっとも、経験を過信したくないとも思います。というのは、私は一つの病院・一つの世界しか見てきておらず、ものの観方が狭いところがありました。
―同じ病院といえど、いろんな世界があるという事ですね。
「オバちゃんなんか、どこも必要としてくれない」そんな思い込みがありました。
経験は確かに武器ですが、それにとらわれすぎるのも良くないと感じます。
ですから中高年のナースで転職したい方は、最初から「自分は年寄り」ってあきらめないで欲しいですね。
例えば転職先紹介会社などに、聞くだけ聞いてみてもいいと思います。
―最後に、今後の抱負をお願いします。
この病院に骨を埋める覚悟で、頑張っていきたいです。
前の病院よりも時間にゆとりがあるので、プライベートも充実させていきたい。週に2回、フラダンス教室で頑張っているんですよ。
ステキな出会いですか?まあ何かあったとしても、私はもう独身なので、「失楽園」にはなりませんよ(笑)。
森本節子さん(仮名)プロフィール
1959年生まれ。某県立病院ひとずじに25年間勤務。その後、離婚を機に第二の人生を目指し、2006年に転職を果たした。 仕事とともにプライベートも大切にし、充実した生活を送っている。 趣味はフラダンス。 今後の抱負「私で伝えられることがあれば、若い人に何でも話していきたい」


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